歯の根(神経)の治療について
「根管治療」は歯を長期間残すために重要な治療です。
歯の神経や血管など(歯髄)が通っている根っこのような管を根管といいます。
根管治療は、歯髄が炎症や感染を起こした時に必要になります。
原因は深いむし歯・歯の亀裂・外傷など。歯の痛みや炎症・感染をそのまま放置しておくと、根の周囲の組織に炎症が広がったり、 歯ぐきが腫れたり、最悪の場合、抜歯が必要になります。
また、場合によってはリンパ節が腫れる・発熱するなど、全身にも影響が出ることもあります。
進行度合いにもよりますが根管治療により、ご自身の歯を長期保存することが可能となります。

根管治療とは
根管治療とは、歯の根管の中にある「炎症を起こした歯の神経」「細菌」「以前に治療した古い充填材」などを除去する治療です。
歯の根管内を専用の細いやすり(ファイル)でこすり落として歯髄を除去し、洗浄・消毒を行い、痛みや根管内の炎症などを抑える治療を行います。
最終的に根管内に薬剤をつめ、そこに土台をたてて被せ物をすることで、歯の機能を再び取り戻します。

治療期間について
根管は人それぞれに形態や本数が異なり、非常に複雑で入り組んだ形状のため精密さが求められます。
さらに根の中に唾液や細菌が入り込まないように治療中にも細心の注意が必要になります。
早い方は数回で終了しますが、歯の形状や症状の度合いによっては数か月かかることもあります。
根管治療の流れ(抜髄)

診断
レントゲンや歯科CTなどで根の形と問題点を見つけます。診断結果により、治療計画を立てます。
ファイルで感染した神経を除去
根管治療用の器具「ファイル」を使用して、細心の注意を払いながら、細菌感染を起こした神経(歯髄)や細菌、古い充填剤などを除去します。
薬剤で洗浄・殺菌し仮封
根管内を薬剤で洗浄・消毒し、症状に合わせた薬剤をを詰めて、新たに細菌が入らないよう仮封します。
2~3回の通院(ケースによる)で、STEP2、3を繰り返し、根管内の細菌を可能な限り減らしていきます。
根管充填
十分に殺菌ができ、痛みや炎症などの症状が落ち着いたら、根管内への細菌侵入を防ぐために、最終的な薬剤で根管を埋める「根管充填」という治療を行います。
土台と被せ物
きちんと封鎖ができたら、歯の強度を保つために土台を作り、被せ物を作製する治療へ進みます。
被せ物と歯ぐきの境目から細菌が再び侵入しないように精度の高い被せ物を作製し、ぴったりと接着します。
治療中の方へのお願い
治療中は硬い食べ物は控えて
根管治療中は硬い物を噛むと仮封材が外れる、歯が欠ける、痛みが出るなどの恐れがあります。
歯科医師の指示に従ってお過ごしください。

途中で治療を中断しないように
根管治療は複数回の通院が必要な治療です。
途中で治療を止めてしまうと症状が悪化し、抜歯が必要になるケースもあります。
ご自身の歯を長く残すためには最後まで治療を受けることが大切です。

抜歯を視野に入れる場合も
根管治療中に歯の根に亀裂が入っていることがわかった場合は、抜歯を視野に入れる場合もあります。

早期発見・早期治療が大切です
歯の神経は一度炎症や感染を起こすと自然治癒することはありませんので、むし歯が神経まで達した場合や細菌感染を起こした場合には、歯髄を取り除く必要があります。
放置すると治療期間も長く、費用もかかることになります。日頃からお口のケアに気を付け、むし歯や歯周病を予防すること、定期的に歯科医院へ通って早期発見・早期治療に努めることが大切です。
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